ラミグラス6'6" #3 2p ブランクを使用して組んでいる次期販売用オリジナルビルド・フライロッドの製作進行状況その
3である。
グリップ・エンドに埋め込むアンカー・リングに、コンビとなるウッド・チェックを接着したあと、再び旋盤にセットしてデザイン・カットに入る。
アンカー・リングを再び旋盤にセットするに当たって、センター出しをしながらチャックに咥えなくてはならないワケだが、正確にセンターを出すには、軽く浅めにチャックにアンカー・リングを咥え、端財で製作したホルダーをアンカー・リングの穴に当てて、旋盤を回しながら回転センターで芯押してアンカー・リングを押し込んで行き正確にセンターを得る。
後は、そのまま旋盤を止めてからチャックを締め付けて固定する。
コレでブレなく正確にセンターの出た状態で再びアンカー・リングをチャックに咥えることが出来る。
いつものコトであるが、イッパイ引っ掛けながらの作業である。
一般的にアルコールを摂取してマシンを操作するのは危険なので避けるべきであるが、ワタシの場合は調子を上げるための燃料となるので、適度に取り込みながら作業するのである。
突っ切りバイトを利用して、デザイン・カットを施していく。
明確なデザインの図面は設定せず、大まかなイメージに基づきながら、その場の閃きに従って即興でカットしていくのが毎度のやり方である。
キホン、一点モノなので、それで良いのである。
その即興の閃きを得る為にもアルコールの摂取は欠かせないのであった。
イメージと閃きに従いながら、更にカットを進めていく。
カットが完了。
全体にテーパーさせながら、ブラス・リングのフランジ部分には細かなステップ・ダウン・ラインを入れてみた。
更にウッド・チェックにサンド・ペーパーを掛け、ブラスに磨きを掛けたのがこの状態。
次にウッド・チェックのファンデーションを行う。
エポキシの熱擦り込みによるライト・インプリである。
旋盤で回しながら、紙でエポキシ樹脂を擦り込んでいく。
擦り込みが終わったら、ドライ・キャビネットに入れて熱を掛けながら24時間以上養生して下地処理は完了である。
あらためて、デザイン・カットを施す前後を比較してみると・・・・。
カット前がコレ。
カット後。
だいぶ贅肉が落ちた。
あとは仕上の塗装工程を残すのみである。
仮にシートに組んだ常態でも比較してみると・・・。
コレはコレでそれなりの美しさはあるけれど、やはり無骨である。
#5~#6のロッドだったらコレでもイケるかもネ。
ライト・ラインのショート・ロッドとなると、こんなカンジでしょうな。
ウッド・チェックは、視覚的にワン・ポイントとしてアクセントを生むのと同時に、グリップとシートのギャップを緩やかにしてグリップした時の当たりを柔らかくするコンフォーターとしての役割を担っているのである。